2018年3月7日水曜日

グラッシィ楽器博物館へ

さて、メンデルスゾーンハウスを後にして、グリーク記念室、旧ペータース音楽図書館を回ってグラッシィ楽器博物館へと向かいます。リンク先音色の足跡コースの地図をご覧ください。ライプチヒは、19世紀のヨーロッパでは出版の中心地として知られていました。音楽ではペータース社が今でも有名ですね。ノルウェーの作曲家エドワルト・グリークは、ライプチヒ音楽院に学びペータース所有者と親交を結び、冬の期間この場所に滞在し、1888年にここで有名なペール・ギュント組曲第1番を作曲したそうです。
そのような内容の看板が門塀に掛けられていましたが、中には入れませんでした。

庭園には虚空を見つめるグリークの首像がぽつんと・・・

その隣には旧ペータース音楽図書館、隣接する音楽出版社ペータースによって1894年開館。世界初の一般の利用も可能な音楽専門図書館。その貴重なコレクションは現在ライプツィヒ市立図書館へと受け継がれているそうです(内部は非公開です)。
さて、これからここから距離にして500mほど、しかし交通量が多いプラーガー通りを苦労して横断し、グラッシィ楽器博物館へと向かいました。ヨーロッパは石畳が多く、また
歩道の起伏、段差も日本より大きく感じられる上に毎日歩きづめなので、しだいに足が疲れて来ました。妻は「足が腫れて来た。もう無理」などと言い始めました。まだまだこれからなのに。


グラッシィ楽器博物館は、工芸美術館・文化人類学博物館の3つの博物館で構成されています。また、アール・デコ様式博物館建築として知られています。この楽器博物館には、ピアノの発明者バルトロメオ・クリストフォリが製作した、現存する世界に3台のピアノのうちの1台が展示されています。



実は前回訪れた2014年12月27日夕刻、トーマス教会からほぼ今回と同じコースを歩きつつ、途中道に迷って時間を食ってしまい17時開演のニコライ教会でのオルガン・コンサートに間に合うように博物館をダッシュで10分で駆け抜けて見学しました(結局コンサートに遅刻して入場を断られました。そのあたりの経緯は⇒こちら)。帰国後にクリストフォリのピアノがこの博物館にあった・・・と知って愕然とし、もう一度ライプチヒへ行かねばと心に決めていました。
さらにもう一つの理由は、昨年夏のオルガン発表会でシューマンのペダルピアノのためのカノン風練習曲Op.56を弾いたのですが(この曲はドビュッシー編曲、2台ピアノ版としてよく演奏されます)、オリジナルでは足鍵盤を使うため現在ではオルガンでしか演奏できません。しかし、楽譜にはダンパーペダル(ピアノの右ペダル)の指示があるため、本来は足鍵盤付きのピアノで弾くための作品であったのは間違いない、もしシューマンゆかりのライプチヒの博物館にペダルピアノも所蔵されているのなら、是非見たいと思ったのでした。
     シューマン:Op.56より第2番